コロのあがき(生誕編)

僕の名前はコロだ。

御主人が赤ん坊の頃に飼ってた犬の名前が同じだと言ってた。

その時は赤ん坊だったご主人の顔をぺろぺろ舐めるものだから衛生的に怖くなって他のウチにもらわれていったらしい。僕たちは気に入った人に対して手や顔をなめるのが愛情表現だからなんか切ない。

 赤ん坊だったご主人はその先代コロに対して申し訳ない気持ちがあって僕にコロと名付けとのことだ。

名前の由来はそういうことらしい。

生まれたのは2019年1月3日。ご主人の取引先である高知県の牧場で4匹兄弟と一緒に生まれた。写真はその時の家族のものだ。今考えたらかなりの大所帯。母さんのチビはもちろん大好きだけどタローとジョニーっていう年上の兄ちゃんがとてもスキだった。

牧場の中を走り回ったり山にみんなで遊びに行くのがとても楽しかった。

けれども一カ月ほどたったある日一緒に生まれた兄弟2匹と一緒にカゴに入れられていかついおじさんにトラックで連れていかれた。

 

5,6時間して真っ暗になった森の中の小さなログハウスに降ろされて今のご主人に出会った。

長旅で疲れてるのにいきなりシャワーで洗われた。。。

生まれて初めての体験で気が緩んだからカーペットの上で粗相しちゃった。

ご主人泣いてたけどしょうがないじゃん。

その日はそのまま兄弟で寄り添って眠った。とにかく疲れたからぐっすり眠った。

翌朝ご主人は僕らを「会社」というところに連れて行った。働かないとご飯を食べることが出来ないらしい。人間って合理的なのかめんどくさいのか分からないな。。。

一日が終わって兄弟ともそこで分かれることになった。

一匹は同じ香川県の山の中の家に。

もう一匹は徳島県のご主人の取引先のお客さんの所にもらわれたと後で聞いた。

 

で、その日ご主人のウチに帰るとふかふかのベッドが用意されてた。

けれども急に一匹ぼっちになった寂しさが襲ってきた。

まだ生まれて一カ月してたってないのに。一匹ぼっち。その夜めちゃめちゃ泣いた。

翌日から毎日会社に連れていかれることになった。会社の人はすごくかわいがってくれた。ご主人のそばにずっといて安心できるようになった。そのうち夜も泣かなくなった。

 ご主人は毎日朝と夕方に散歩に連れて行ってくれる。海というものをここで生まれて初めて見た。だだっ広い砂浜。走り回るときもちいい。

 ご主人は僕の散歩に行くようになって自転車通勤をヤメたらしい。自転車10万円もしたのにもったいない。まあ僕の散歩の時間が増えるからうれしいけどね。

 ある日空き家の前でお姉さん犬を見かけた。見た目がみすぼらしい僕と同じような雑種の犬だ。首輪をしてるけど鎖をしていない。ダレだろう・・・・。どうしてこんなところに?

たぶんつづく

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